学校

「よう、光」

 俺の親友である大峰末広がおはようと言ってきた。

「ああ、おはよう」
「しかしもう葛飾さんが死んでからもう今日で三か月か」

 末広が悲しそうな顔をしてそう言った、彼もまた雅子が幽霊の状態ながらここに存在している知らないのだ。俺はそれが悲しい、言いたいのに言えないのだ。こんなに辛いことはない。

「私はここにいるよー」

 そう言って雅子は末広の顔に向かって手を振りまくる。しかし当然のことながら末広は気づかず、相変わらず悲しそうな顔をしている。

「もう、私のために悲しまないでいいからね」

 だが末広にその声は届かない。だがその声が聞こえてる俺は笑いをこらえるのが大変だ。

 雅子が必死に話しかけてるのに末広にはその声が届かない。まるでコントのような状況だ。いつもなら耐えられるのだが、今回は末広が悲しそうな顔をしていることも相待って、堪えきれそうにない。

「何笑ってるんだよ光、一番悲しいのはお前じゃねえのかよ。確かにお前が泣いても葛飾さんは帰ってこない、でも笑うのは違うだろ。お前、不謹慎だぞ!」

 笑いを堪えきれていなかったようだ。

 確かに末広が言っていることは正論である、俺が幽霊である雅子が見えていることを除くとだが。