「ねぇ」
「何?」
「心臓どうしたの?」
「んー?」
「だから心臓」
「あー、まぁ……」
指摘したあたしに答えず、玲哉は気まずそうに笑う。おっと、やっぱり革命が起きた?と再び期待する。しかし、答えを急かすようにじっと見つめると玲哉はあたしを毛布でガシッと羽交い締めにした。顔ごといかれて何も見えない。
「ちょっと」
藻掻くあたしを毛布ごと抱き締めながら玲哉は「やーい引っ掛ったなー。千秋」とクスクス笑う。
また、からかわれているんだろうか。でも、この心臓の音はきっと。いや、やっぱり玲哉だからな……。
「千秋の心臓も俺と同じだね」
「そりゃ好きですから」
「俺も好きだよ」
「はいはい」
「これからも2人だけで大富豪しようね」
「もー」
ほらね。やっぱり勝てない。革命され返された。
革命返し【完】