「ね、千秋。一緒にお昼寝しよ?」
「うえええっ!?」
ほらね。恋する気持ちに全く気付いてくれない上に簡単に一緒に寝ようだなんて誘ってくる。
いい加減、少しくらい女の子扱いしてよ!なんて、ちょっとイライラしてしまう。
もどかしさが怒りに変わるくらいあたしは限界だ。好きでしょうがない。女として見て欲しい。
「えー。眠くない?」
「だからって!一緒に寝るわけがないでしょっ」
「ちょっとだけ」
「無理」
「5分は?」
「無理って言ってるじゃないっ」
何度も誘ってくる玲哉にきつめの口調で返す。
だって無理だよ。無理ったら無理。一緒に寝た日には、あたしの心臓が持たない。絶対に爆発する。
それに寝ているのをいいことに間違いなく何か仕出かす。ちょっとだけ、とか誘惑に勝てずに。
あたしはもうそれくらい玲哉が欲しいのに、玲哉は全然あたしを欲しがってくれない。
悔しさすら覚える。少しくらい照れて見せてよ。