「何だよ、それ。遅刻は俺のせいかよ」

 「うん」

 「ったく。お前ってホント昔っから……って、はぁっ?好き!?」


 呆れた眼差しを私に向けていた真兄は、私の告白に気付いて目を見開きながら驚いた。

 肯定するように黙ってコクリと頷けば、脱力したように溜め息を吐かれる。


 「俺、お前には兄貴みたいな存在に見られてると思ってたわ」

 「そんなことない。ずっと好きだったもん」

 「だったら、それぽく振舞えよ」

 「振る舞ったら付き合ってくれるの?」

 「まぁ、考えなくもない」

 「都合いいなぁー、おい」

 「うるせー」


 そして曖昧な言葉とは裏腹にあたしの頭を優しく撫でた。


 どうやら初恋叶っちゃうのも秒読み3秒前みたいです。

 今日はぐっすり眠れそう。


 Fin


 「やっぱり。あたしのことが好きだから触りたかったんだ?」

 「いいから、ほら、早く勉強しろ」