「あー!梨花おかえり~!」
自分の席に座ってすぐ。あたしが教室に戻ってきたことに気付いた友達の竹田和美が教室に響き渡るくらい大きな声で叫んだ。
「……ただいま」
元気さに圧倒されながらも微笑みを向ける。そしたら、和美は凄い怖い顔であたしのところに駆け寄ってきた。
走った所為か和美のピンクメッシュの入った金色の髪がふわふわと揺れる。
「ちょっと~、何?あんた顔が死んでるんだけどぉ」
「う、うん」
「えー。まさか、またあのクズに泣かされた系? 」
眉間に皺を寄せてあたしを見つめる和美。
怒った顔をしているからかグルグルに目の回りを囲ったアイラインが余計に目立つ。
眼力度がアップしてるし。
「さっさと別れなって。あんな女ったらし~」
そして続けざまにあたしの肩をガッチリと掴んでそう言ってきた。
眼力が……やばい。