お茶をするという部屋に案内された。


「ナナセセイラ様、お菓子はお好きですか?」
「はい!大好きです!」

用意してくれたお菓子は少し違うものの星来がいた世界とほぼ同じだった。

「ふふ。やっと笑ってくださった」

「あっ」
なんか恥ずかしい気持ちだった。

「お話ししなければなりませんが、まずはいただきましょう」

「はい……えっと〜…」
星来が座ったソファーの真後ろにアレルヤが威圧的に立っていた。

「アレルヤ殿、ナナセセイラ様が怖がってますから少し離れなさい」
テレーゼがお菓子を渡すとアレルヤは無言で受け取り、壁側のイスに移動していった。


「失礼しました。アレルヤ殿はナナセセイラ様が気になって仕方ないのですよ」


「はぁ…あの私、ナナセセイラじゃなくて…星来って呼んでください。フルネームはちょっと…」

「わかりました、星来様。改めてお茶をいただきましょうか」
「はい」

お茶を一口飲み、お菓子をいただいた。

「わぁ美味しいです!」

「よかったです」

テレーゼの優しい微笑みに少し癒やされた。
アレルヤは菓子を頬張りながら視線は星来に向いていた。


「テレーゼさんでしたっけ?あの…失礼ですが性別をお聞きしても?」

「え?私は男ですよ。よく女性に間違われますけど」

「星来様。まずは自己紹介しますね、私はテレーゼ。この国の最高位の魔導師を務めております。貴女様をお呼びしたのは私です」

「テレーゼさん…素敵な名前ですね」

「ありがとうございます。壁側にいる男はアレルヤ殿です。この国の騎士団長を務めており、今後は星来様の専属の護衛になりますからこき使ってやって下さい」


「騎士団長…護衛って…」
星来は困惑した。