玉座にいた赤髪の男性が星来に話しかける


「聖女様、突然のお呼びたてして済まなかった。私はこの国の国王、シュトッフェルだ。聖女様、名をお尋ねしてもよいかな?」


「えっと…七瀬星来です」

名乗るとローブの人達が歓声をあげた


「聖女様なんて美しい名だ!」

「ナナセセイラ様とおっしゃるのか!」

「これナナセセイラ様が困っておられる。静粛に!」

シュトッフェルが声をあげるとローブの人達は黙った。


「実はな、お呼びしたのは我が国を救ってほしいからだ。我が国は今、魔物の出現が多く、負傷者など民たちの不安が広がってる状況なのだ」

(救う?魔物?困窮?)

シュトッフェルは星来の様子を察した

「詳しくはテレーゼから聞くとよい。テレーゼ、ナナセセイラ様を部屋にご案内し、まずはお休みいただいてから説明しておいてくれ」

「はい」
テレーゼと呼ばれた水色の髪の男性?は星来に笑いかける

「ではお茶でもいかがですか?」

「は…はい」


お茶に誘われ、先程いた部屋を出ると広い廊下があった。
西洋風の作りをしていて興味深かった。


「すごい…お城みたい!」

「お城ですよ。面白い方ですね」
テレーゼに笑われてしまって恥ずかしくなってしまう



「あ!」
すっかり忘れていたのだが星来が大事にしているミキサーとスクールバッグをキョロキョロ探した。


「どうされました?」

「私の荷物……あ。」

星来の荷物は全て、アレルヤと名乗った男性が運んでいた