友情、なのだと信じていた。

しかし彼らと話しながらこちらを振り向いた嘲笑うような表情を見て、思い知った。

ああ、僕を利用しているだけだったのか。

彼らに向いた前面はなんとか保っている。だが背中側が破れ、僕の中身が砂のように流れ出しているかに思えていた。

そう言われて見ると、思い当たることは多かった。

二人の時はともかく、誰かが一緒のときには決してその輪に入らせなかったり、大事な用事について教えてくれなかったり、なにかあげるときには親切だけどそうでない時にはどことなく素っ気なかったり、僕の好きな物はいつまで経っても覚えてくれていなかったり。

そうだったのか、やはりそうだったのか。自分でも薄々気づいていて、それでも気づかないふりをしていたのだ。それをこんな形で見せつけて確信させるなんて。

僕は踵を返して戻っていった。