悪魔「うるせえ野郎だ。こら、動くな。変なとこおっ付けんじゃねえ。俺だって気色悪いんだ。こうなったら魔力を使ってやる。魔力、五官コントロール。陣(10指を互いに内に組み入れる、忍者の手印)!」

良夫、突然ゆったりとなり鷹揚に為子に告げる。

良夫「何だ、母さん、なに覗いてるんだ?アレしたいんなら風呂から上がるまで待ってなさい。年甲斐もなく、端ない(はしたない)」
為子「なーに云ってんのよ。もう、馬鹿々々しいったらありゃしない。そのまま男の三輪車やってなさいよ」

為子、台所へ戻る。風呂の戸はそのまま開けっ放し。

和子「お父さん、どうしたの?なんか変ね」
為子「いいの、いいの。なんか湯あたりでもしてんでしょ。さ、ご飯食べましょ」

為子と和子、食事を始める。

悪魔「あー、やっと為子が行った。これでゆっくり浸かれるぜ。久しぶりの娑婆の湯だ。何かうなりたくなった。な?良夫。もう魔力かましたから、姿は見えずとも俺らの声、聞こえるだろ?あ?」
天使「んだかね?聞こえるだかね?良夫さん」
良夫「は、はい。聞こえます」
天使「んだども悪魔、声だけで姿は見せんなや。おらはともかくお前さ見たらば、良夫さん、卒倒するでよ」
良夫「あ、悪魔ぁ?」
悪魔「やかましい。かっぺ。じゃあ、俺からうなるぜ」
天使「やらかすかね?なに歌うだかね?」
良夫「お、俺、嫌だよ。出ますよ…(立とうとする)」
悪魔「(良夫の肩を抑えて)待て、バカ。立つんじゃねえ。観客の目があるだろ?」
天使「(同様に良夫を抑えながら)んだ。良夫さん、卑猥物陳(チン?)列罪で捕まってしまうだよ」