ゆっくりと説明した。


『えー!そうなの?じゃあ、今も矢真斗が隣に?』

と、興奮気味の天音。


「いや、別の部屋に行った」

『そっか、優しいね』

「うん」


ほんとに、優しい。

優しすぎるのよ。


私には、その優しさがどうしたらいいのかわからない。

嬉しいけど…どう反応していいのか...


『瑠愛、戸惑ってる?』

「うん」


戸惑うことしかない。

矢真斗さんといると。


『そうだよね。でも、矢真斗の優しさには甘えていいんじゃない?』

「そうかな...」


甘えたら、迷惑じゃないのかな…

ただの客なのに。


ましてや、昨日が初めましてだったのに。


『気にしすぎ!悪い癖出てるよ』

「そうだよね...」

『臆病になるのもいいけど、たまたは勇気を振り絞らないとね!』

天音...


天音の言葉が突き刺さる。

私の足りないものは勇気。


いつも、勇気がなく臆病になってしまう。