意味がわからなかった。
 確かに、その女は私の母で、更に私を混乱させたのは、その相手の男というのが、中学の担任だったのだ。
 担任は独身だったが、母はというと、当然だが父も私も居る。
 何かの間違いだと否定してほしいと強く願いながら、帰宅した母に、
「この写真は何⋯⋯?」
 目の前に突きつけると、母は一瞬だけ焦ったものの、
「どうして私を責めるのよ!最初に不倫したのは、あんたのお父さんでしょ!?責めるなら、私じゃなくて、お父さんを責めなさいよ!」
 更なる新事実を知らされた私は、完全にわけがわからなくなってしまった。
 田舎だったので、噂はあっという間に拡散し、何処に居ても針の筵だ。
 とどめを刺すように、当時の彼からは、
「両親が不倫するような女と、これ以上付き合えるかよ!片方だけならともかく、ダブル不倫ともなれば、お前もそういう女に決まってる」