そうでもしなければ、やっていられないから。
 中学生になると、部活で帰りが遅くなったが、真っ暗な家に帰ることに変わりはなかった。
 両親は、モノだけは与えてくれていたので、独りぼっちの家で、四六時中、友達や知らない人とネット上で繫がることで、どうにか寂しさを紛らしていた。
 当時、彼氏みたいな存在もあった。
 その彼というと、スポーツ万能の目立つタイプで人気があり、彼のことを周りからは羨ましがられたが、私たちは本当の恋をしていなかった気がする。
 いつだって、淋しくて仕方なかったのだ。
 それでも、自分を騙し騙し生きてきたが、ある日を境に、周りの私を見る目がガラリと変わった。
 理由がわからず、友達に尋ねてみると、
「この人、本当にあずなのお母さん⋯⋯?」
 そんなメールと共に、母が男とホテルから出てきた写真が送られてきた。