「僕、ファインと出会ってから、世界の全てが色付いたんだ…」
リーフィーは、ファインを見つめた…。
「リーフィー…」
「好きだよ…ファイン…」
二人は、引き寄せられる様に口付けを交わした。
初めて感じる互いの温もりに、心が震えた…。
互いの唇が離れると、リーフィーは照れた顔で頬を真っ赤に染めながら思いを伝えた。
「ファイン…これからも、僕と一緒に居てくれる…?」
「何言ってるの?当たり前じゃない」
何かに怯えている様な…そんな彼の表情が気になった…。
大人になったら僕のことは…きっと見えなくなってしまうから…。
今まで、ずっとそうだった…。
大人になったら皆、僕の事が見えなくなって…
そうして、忘れ去られていく…。
浮かない表情のリーフィーの事が気になった。
「リーフィー?どうしたの…?元気ないよ?」
私が問い掛けると…
「ファイン…」
今にも泣きそうな表情で私を見つめた…。
そして、蚊の鳴くような声で問い掛けた。
「もし、大人になって、僕の姿が見えなくなっても…忘れたりしない…?」
私は一瞬、話が見えなかった。
「どう言う…事…?」
彼は、ゆっくりと口を開いた。
「人はね、大きくなると僕の姿が見えなくなって…やがて、忘れていくんだ…」
僕は、ずっと孤独だった…。
寂しくて歌を口ずさんでいたら、ファインに出会った…愛おしくて堪らない…だけど…。
「ずっと一緒に居たい」それだけなのに、その願いすら叶わないの…?
「…リーフィー…」
この時、私は初めて彼の心の内を見た気がする…。
そして、私は優しく彼の手に触れた…。
「大丈夫。私は、必ずあなたを見つける…だから、その時は…」
「歌を歌って…」
「歌を……?」
「そう。リーフィーの歌声、とても澄んだ声をしていて綺麗なの…一瞬で心を奪われる程に…」
姿が見えなくても、その歌声を道標にするから…。