森のフェアリー♡メロディー

それから、数ヶ月が経った。


「リーフィー何か、雰囲気変わったね!」


「そうかな?」


「うん!何て言うか…雰囲気が柔らかくなったと言うか…」


「…ファインと居るのが楽しいから…」


そう言うリーフィーの頬は、ほんのり赤く染められていた…。

「僕、ファインと出会ってから、世界の全てが色付いたんだ…」


リーフィーは、ファインを見つめた…。


「リーフィー…」


「好きだよ…ファイン…」


二人は、引き寄せられる様に口付けを交わした。




初めて感じる互いの温もりに、心が震えた…。

互いの唇が離れると、リーフィーは照れた顔で頬を真っ赤に染めながら思いを伝えた。


「ファイン…これからも、僕と一緒に居てくれる…?」


「何言ってるの?当たり前じゃない」


何かに怯えている様な…そんな彼の表情が気になった…。




大人になったら僕のことは…きっと見えなくなってしまうから…。
今まで、ずっとそうだった…。


大人になったら皆、僕の事が見えなくなって…


そうして、忘れ去られていく…。


浮かない表情のリーフィーの事が気になった。


「リーフィー?どうしたの…?元気ないよ?」


私が問い掛けると…


「ファイン…」


今にも泣きそうな表情で私を見つめた…。


そして、蚊の鳴くような声で問い掛けた。


「もし、大人になって、僕の姿が見えなくなっても…忘れたりしない…?」



私は一瞬、話が見えなかった。


「どう言う…事…?」


彼は、ゆっくりと口を開いた。


「人はね、大きくなると僕の姿が見えなくなって…やがて、忘れていくんだ…」


僕は、ずっと孤独だった…。


寂しくて歌を口ずさんでいたら、ファインに出会った…愛おしくて堪らない…だけど…。


「ずっと一緒に居たい」それだけなのに、その願いすら叶わないの…?


「…リーフィー…」

この時、私は初めて彼の心の内を見た気がする…。


そして、私は優しく彼の手に触れた…。


「大丈夫。私は、必ずあなたを見つける…だから、その時は…」


「歌を歌って…」


「歌を……?」


「そう。リーフィーの歌声、とても澄んだ声をしていて綺麗なの…一瞬で心を奪われる程に…」


姿が見えなくても、その歌声を道標にするから…。

作品を評価しよう!

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

総文字数/178,958

ファンタジー310ページ

表紙を見る
表紙を見る
表紙を見る

この作品をシェア