「お姉さん、そろそろお店閉めますけど大丈夫ですか?先程から見てましたけど何か気に入ったお花ありしたか?」


彼の声でふと我に返り携帯を開くと時刻は18時をまわっていた。


気づいたらここにきて1時間も経ってたなんて、


「あ!!す、すみません買わずにずっと...」


焦りながら私は近くにあった花を指さす。


「向日葵ですね!お姉さんにピッタリ
今包むのでお待ちくださいね」


彼の細くて華奢な手が手際よく1輪の向日葵を丁寧に包んでくれる。


「どうぞ、お待たせしました」


「おいくらですか?」


「あ、これサービスです。今日初めて来てくれたのでまた来てくれたら嬉しいです」


冗談めかして言う彼私は目を奪われた。