「どう?でかいっしょ」


「うん、これならいける」


そう言って壁際に小さく寝転がる。

案の定「なんでそんな端っこ?」なんて言われるけれど、無視。

ふかふかの毛布を被るとあっという間に眠気に襲われる。


⋯⋯目まぐるしい1日だった。

うつらうつらとしていると、声が聞こえる。


「寝れそ?」


「⋯⋯ん、⋯⋯」


「お疲れさん。おやすみ」


「⋯⋯ゃ、すみ、⋯⋯」


髪と頬を撫でられたような感覚。

綺麗な声に誘われるように、幸せな夢の世界へと落ちていく。



「⋯⋯やべー、かわいすぎるな⋯⋯」


───そんな呟きが落とされていたことに、私は、気がつくはずもなかった。