そうしてそれから1週間が経った今日
初めて響さんの実家に訪れた。

…凄く広くて立派なお屋敷。

1人じゃ絶対に迷うだろうし
部屋の場所とか覚えるのも大変そう…。

私がキョロキョロ見渡しながら
門からお屋敷までの道のりを歩いていれば

「花、そんなに不安そうな顔をしなくても
大丈夫だよ?全部の部屋を掃除してとか
そんな意地悪な事言わないから」

響さんは私が思っている事が分かったのか
微笑みながらそう口にした。

「えっと…じゃあどこを…?」

「俺の住んでいる棟だけ
覚えててくれたら良いよ。
大きくて立派な棟の方は俺の父さんが
いるから絶対に入らないでね。
色んな奴が出入りするし、
花の姿も見られたくないし…」

「そうですよね…。
部外者が出入りしてると
皆さん良い気がしないですしね…」