「ゆづ」

私が今後の事を考えていれば
ふと、響さんが目の前にやってきた。

「響さん…どうしたの?」

私が拭き掃除を止めて立ち上がれば

「ゆづはいつまでその呼び方するの?
"ひーくん"って呼んでよ」

とクスクス笑われた。

「…だってひーくんっていうより
響さんの方がしっくりきて…。
凄く綺麗で大人っぽい顔立ちになったから」

私も笑いながらそう言えば

「…ゆづも綺麗になったよ。
顔立ちはあんまり変わらないけど…
雰囲気が凄く大人っぽくて…ドキドキするよ」

響さんは私の手を握って
どこか色気のある表情でそう言うと

「俺の部屋においで」

そう耳元で囁きながら
私を2階の部屋に連れて行った。