「え…？」　

響さんはびっくりした様子で私を見てきた。

私は咄嗟に啓君の方を見たが
啓君は私と目を合わそうとしない。

「…それ、本当？花、」

すると響さんは私をじっと見てきた。

私はかなり戸惑ったが

「…うん、"ひーくん"だよね、？」

昔呼んでいた呼び方で響さんの方を見て
静かに口にすれば

「…そうだよ。
やっと思い出してくれたんだね。嬉しいよ」

響さんはにっこりと笑い嬉しそうにしていたが
…何だか思っていたよりも
シンプルな反応だった。

あれだけ私に自分の事を
思い出して欲しかったはずなのに…

もっと抱き締められたり
凄く嬉しそうにされたりするかと思えば

響さんは今度は私ではなく
なぜかずっと啓君の方を見ていて…。