「亜由美〜またね!」
「紅葉ちゃんも楓ちゃんも、またね」


学校が終わると寄り道してから白虎神社へ行く。

「この間、街に行く時に貰ったお小遣い、風雅が出してくれてほとんど使ってないから奮発(ふんぱつ)しちゃった♪兄妹におっそわけするからね〜」

「うん…それはありがたいけど、買いすぎじゃない?紅葉はすぐ無駄遣いするんだから」

紅葉と楓は巫女服に着替えた。

「アンタなんでまで着替えてんのよ」

『ん~着物が汚れたらいけないからね〜』
風雅は元々着ていた服装ではなく、普通の着物に着替えていた。


「ふぅ~ん、まぁいいけど、邪魔だから帰りなさいよ」

『紅葉と一緒にいたい〜ってか、白虎神社なんだからオレを祀ってるんでしょ?(たた)えてもいいんだよ?』

「うるさいわ!」

2人のやり取りを楽しそうに聞いていた楓。

「ふふっ。紅葉、そろそろ…」

「わかってるって。楓、病み上がりなんだから無理しないでよ」

楓はパタパタと準備をはじめ、紅葉は無言で楓を真剣な目で見つめていた

『紅葉?どうしたの』

「なにがよ。そんなことより昨日みたいに風おこしやってよ」

『うん』