夕食の時間になり、紅葉と風雅は座敷に向かった。

白神家が全員揃うので、自己紹介がしたいとのことで全員で食事会だ。

『紅葉は神子なんだから常にオレの隣ね』

「ハァ？なんでよ…ったく！」
仕方なく隣に座る

(うわ…)

両親たち家族は全員、着物を着てビシッと決めていて、紅葉は派手なTシャツと短パンだったので逆に目立つ。

(目上や十六夜様などのお客様なら着物着るんだけど…風雅だしいいかと思ってたわ)


「風雅様、西ノ島にお越しいただき感謝いたします。また、我が娘を神子としてお迎えくださりありがとうございます。我々、白神家は風雅様に誠心誠意お使えさせていただきます」

紋十郎が風雅に挨拶をする。

「我が家族をご紹介致します。まず私が当主の紋十郎です。」

「私が当主の妻、直美です」
「私が長男の小太郎です。先程はお目にかかれ光栄です」
「私が次男の司です」
「私は次女の楓です。紅葉は双子の姉です」
「あた…私は三女の美晴です」

「御用の際はなんなりとお呼びください。」

一同頭を下げる。紅葉はそんな家族をむず痒い気持ちだった。

『結構大家族だね。まっ宜しくね〜。楓だっけ？紅葉の妹』

「は、はいっ！」
突然の名前を呼ばれビクッとする

『紅葉より美人じゃん。神通力があれば君を神子にしてたかもね〜』

「神通力？」
「神通力とはなんでしょうか？」
楓も疑問だが父、紋十郎も疑問に思う


『説明の前に食事にしょう。うちの神子が腹ペコみたいだからね〜』