風雅はお堂の中に入り、お茶を飲みながら巫女服の紅葉を眺めていた

『この国でいうところの馬子にも衣装ってやつかな』

チッと舌打ちする紅葉に小太郎が困惑する

「こら、紅葉!いくら神子だからって失礼じゃないか!」

「いいのよ、こんな奴!」

『紅葉はこれがいいんだよ〜もっとしていいんだよ』

「このド変態が!!」

ニコニコする風雅に悪態をつく紅葉。


巫女見習いの紅葉の仕事は御守の授与や掃除がメインだ。

箒《ほうき》で掃いている紅葉はベンチでみていた風雅

「…ったく、秋は落ち葉が多くて敵わないわ!」

文句いいながらも作業していると、突然風が吹く。
風はまるで踊るように舞、一箇所に集まった。


「嘘でしょ…」
チラッと風雅を見ると、手を振っていた。