風雅は紅葉をお姫様抱っこし空高く飛んだ。

「えっ!ちょっと〜」

『大人しくしてたら後でモフモフさせてあげるからね』

紅葉は黙った。


風雅はそのまま西ノ島へ向かった。







西ノ島の入り江に着いた。


島の住人たちは白虎の風雅をみてもなんとも思っていなかったが、風雅の隣にいる紅葉をみて驚き慌てていた。

5〜10分もすると島の住人の殆どが集まった。
中には島にいたアヤカシたちもいる。

「紅葉!」

「パパ!」

「お前どうして…隣の男性の方は?」

どうやら白虎の神獣は知っていても人型の方は知られていないらしい。


風雅はフッと笑う。
風を纏《まと》い神獣であることをアピールしているかのようだ。


『紅葉のお父上か?オレは白虎の風雅だ。この度、紅葉は我が神子になった。よってココに暫く住むことにした。それともうすぐ客人が2人来る予定だから上等な酒と食事を頼むよ』


「白虎様でしたか!これは失礼致しました。我が屋敷にお越しください」



「紅葉様が神子だってさ」
「霊力強いもんな」

島の住人たちなヒソヒソしていた。