翌朝、紅葉が目を覚ますと風雅が隣で寝ていた。

「虎ちゃんと寝てたのに！」

ガバっと起き、警戒した。

「…っぅ！」

昨日、激怒した風雅(神獣)の暴風で叩きつけらた時と生贄に行く時に島の住人から暴行された時の傷が痛む。


「虎ちゃんからの痛みは愛よね…」

『オレの事、愛してるって？』


「言ってない」

神獣の風雅には甘々で人型の風雅には塩対応だ。



『西ノ島に行くから準備ね』

「私、裸のまま生贄として連れてこられたから何もないよ」

風雅は自分の羽織を、紅葉にかける

「あ…ありがとう」

『素直なところもあるんだ。可愛いね』

風雅はニコニコしている。


『家に帰りたいなら島の住人納得させないといけないから、オレに話合わせてね』


「わかった」