その日の夜、恋はたまたま遅くまで起きていた。 理央から借りた本が面白く、ついつい徹夜してしまったのだ。 翌朝眠い目を擦りながら制服に着替えた恋は、登校していつもの様に授業を受けた。 放課後部活動の時間になると、恋はまだ誰も居ない部室に入り、部屋の隅で壁に寄りかかって、そこから先はもう覚えていない。