「ドンッ」



気づいた時にはもう目の前の人と正面衝突してしまっていた。



スマホしか見えてなかったよ…。



「ごめんなさいっ!」



とにかく反射的に謝ると、



「僕こそごめんね」



という言葉と香水の匂いがした。



その柔らかい声、どこかで聞いたような…。



そう思って顔を上げた時にはもう遅かった。



目の前にいた相手を見て息をのむ。



ツヤツヤの黒髪、綺麗な平行二重に水晶玉みたいな瞳。



それは、間違えなく生徒会長だったから。