「あと、確かに俺は、何でもリクエスト受付ますとは言いましたけどね、さすがにまさか、そこ触るかって感じでしたよね。」

「…え…やっぱり、肌とか触られるの、き、気持ち悪かった?」

「じゃなくて、普通、男の象徴ともいうべきそこを触りたいって、そりゃこっちは相当なもんですよ?なにせ健全な男子学生なんですから。」

「はあ。」

「それって、そういうのって。梨添さん、もしかして全部天然でやってる?」

「……」


不死原君が怪しげに見つめて、呆然とする私の前を遮り、彼の掌が『聞いてますか見えてますか生きてますか?』と言っている。


そうか。のど仏。

フェチとか以前に、もっと下心ある意味で私が触ったと、そう思われていたのか。

と、いうことは。


ああ。

だから不死原君、あの時キスしてきて…―――――



そう考えだすと、急に恥ずかしくなってきた。



「で、そこからのいきなり"ばちゅいち"ですからね。」

「…ご、ごめんなさい。」

「梨添さんがバツイチなのは知ってましたよ。」

「え…」

「…前に、廊下で、つり目の男性職員と短髪の男性職員が話してるの聞いちゃいましたから。」


…風見。つり目と言ったら風見だ。

うそだろ。って分かってたけどさ。普通廊下で話すか?

年明けは神社に、風見を南極に飛ばしてもらうよう祈りに行こうと思う。神々の出番だ。