「じゃあ、クリスマスは、どうですか?」

「……へァぁ"」


·········


私の扁桃腺から爬虫類みたいな声が出た。バジェットガエルか。


「イヴがだめだなら、クリスマスはどうです?」

「………」


ん?
んんン"?


なにそのしつこい勧誘戦法。


若いのに、よくそこまでぐいぐいクるよね。

じゃなくて、さ、今あなた、ちょっと傷ついた顔してなかったっけ?


どうしてそんなに切り替え早いの?強靭ハートって21歳以上22歳未満なら誰でも所有できるの?


「25日こそ本番ですし、ね。」

「…ええと、」


そうくるとは思わなかった。思わなかったよ君。

不死原叶純の戦法は勝つまで続くの?負け戦はしない主義??外身王子、中身信長?中身はみ出さないと何も変わらないって?くぅかっくいい


今さっきの断られた時のつぶらな瞳も、まさか信長戦法の一つだったとでも言うのかい。


『あ、いたいけな男子学生を断ってしまった罪悪感。ずきん。不死原君のその綺麗でかわいそうな顔見ると良心が痛むから、りいほ、もう断るのやめておこうっと。』


となるという想定での攻撃ですか?

どうする私。逃げる?戦う?ゆびをふる?


でも私の喉はつまる一方で、何をどう返せばいいのかと考えている間にも、不死原信長が先手を打ってきた。





「梨添さん、もう、やめましょうか。こういうの。」