彼女はたまたまこの街に来て、
ここの病院で助手を頼み働いていた所
この子供達がやってきたのだ。



(あの頃は、まだ慣れない環境や
少々意地悪な医師との業務中に子供が
大怪我をしたっておお騒ぎになって大変だったなぁ)


っと思い出にひたっていると子供たちの中の
一人の女の子がさっきまでとは打って変わって
不安そうな声をだした。



「ねぇお姉ちゃん…。
もう、つぎの街に行っちゃうの?」



隠していた事を知られていて動揺してしまう。

この子はあの時の大怪我事件で
私の所まで走ってきてくれた子だ。


鋭い子だから、私の言葉でバレたのかと
考えていたら隣から大きな声が聞こえてきた。



「えええええ!!!!なんで?!
どっか行っちゃうの?!」



「お姉ちゃんずっとここに居ればいいのに!」
もったいねぇよ!!



何が勿体無いのかわからないが
この馬鹿でかい声で話し続けている二人の少年こそ


あの大事件の加害者と被害者だ。



どっちが加害者で被害者だとかで
お互いの母親同士がモメたが怪我の治療をした彼女が
どちらも大怪我ですしお互いに被害者なのでしょうと言った所無事丸く収まる事ができた。