顔はこの街で有名になるくらい整っており。
まだ20代前半だというのに
この医師の職につけるキャリアと頭脳。



私は薬師になるのにも血を見るほどの
苦労に苦労したのに自分とほぼ同世代の人が医師なのを知ってこの人はどんなに天才なんだと驚き


この人の下で働く事に初めは

尊敬や緊張でいっこうに慣れなかった。






――――――――――――――――が、




この人のある一言で
その尊敬も緊張もなくなってしまった。


そんな医師の彼は笑みを絶やさず


いつものように悪い冗談を言う


「また、遊びに来ます」



尊敬できなくなった今でも彼は上司で

この街一番の腕を持つ医師なのだ。




気分を害さないよう
当たり障りのないように笑って断る。