「………臼井…さん」


っと、ものすごく小さな声で瀬戸くんが私を呼んだことによりクラス中の視線が私に突き刺さる。



そんな中隣で座っていた菜摘が席を立って、



「瀬戸くん、こっち来なよ!」


っと、勝手に場を仕切り始めて…名指しで呼ばれた瀬戸くんは躊躇いながらも私たちの席の方へと歩いてくる。



クラスが違う瀬戸くんが授業と授業の合間の10分休憩に私になんの用があるというのか…目の前で立ち止まった彼を見上げると、、



「…っえ、それ…何食べてるの?」



っと、手に持っていた濡れおかきを指さして不思議そうに首を傾げる瀬戸涼太。



「ん?これ…?うーん…なんて言えばいいかな、煎餅を湿らせて柔らかくした…食べ物?っあ…良かったら食べてみる?」



手に持っていた食べかけの濡れおかきを差し出せば……昨日と同様に瀬戸涼太の顔面がどんどん赤色に染っていく。