成川くんとはクラスは違ったものの、私は入試の日に彼と既に衝撃的な出会いを果たしていたので入学する前から彼の存在を知っていた。


合格発表の日はドキドキしたし、受かったと分かった時は家族みんなで大喜びだった。

っと同時に…成川くんのことを思い、どうか彼も受かっていますように、と願ったあの夜のことはそう遠くない過去の記憶として残っている。


高校に入学してから半年が経ち、ようやく思いを告げようと決意したのは良かったが…


やはり振られてしまうと…当たり前に悲しい。


9月の半ば…日が落ちるのが少しずつ早くなりつつある今日この頃。早く帰らないと、っとは思うのだが…ここを出てしまうと、この恋が終わってしまったことを改めて実感してしまいそうで…


怖くて立ち上がれずにいた。


「あー…ほんと、大好きだったなぁ、、」


っと、声を漏らした直後だった。



「……そろそろ、入っていい?」


つい先程出ていったはずの成川くんが再びドアの向こうに現れたので、あまりの驚きにしゃがんでいた腰が抜けて…その場に座り込んでしまった。