停車した車内から私と同じ制服を来ている学生をジロジロと観察している兄。


「……身内が不審者扱いされるのは嫌だから、今すぐに帰って。送ってくれてありがとう。行ってきます」


バンッと扉を閉め車に背を向けて学校へと足を進める。

こんな場面を成川くんに見られてしまったら…学校まで送ってくれる年上の男が存在するのか、と勘違いされてしまいそうだ。


(それだけはどうしても避けたい!!!)


っと、早足でコンビニを出て学校までの道のりを歩いていた私の横を…見覚えのある自転車に乗った男子生徒が通り過ぎていく。


「っあ……成川くん!」


思わず彼の背中に向かって叫んでしまった私。さすがに無視出来ないと思ったのか、少し先でブレーキをかけた成川くん。


不機嫌そうに振り返った彼の元へ、慌てて駆け寄った。