もしもマネージャーの子がわたしに憧れているのなら、さっきだって直接アクションがあってもいいの。でも、なんの反応もなく居なくなっていたことだ。

「(単純に、話すきっかけが欲しいのか、わたしとの仲を探られてるんじゃないの……?)」

「なんか腹減った、コンビニ寄っていい?」

これを耀太はちっとも気づかない。耀太の脳内は食欲とバスケとゲーム、愛犬のポメくんで成り立っていることを、幼なじみ兼彼女のわたしは知っている。

大きくため息を吐き出した。

「コンビニよりマックのポテトを食べたい気分」

「なず、ほとんど残して俺にやるじゃん」

「成長期の耀太におすそ分けしてるのよ」

マネージャーのことはさておいて、交差点の角に位置するハンバーガー店に寄り道することが決まった。

昔から、耀太は自分へ向けられる矢印にとことん鈍いのだから、これは諦めているの。


私はあまじょっぱさを求めてポテトとシェイクにした。耀太は晩御飯を控えているのにビッグマックのセットという暴挙である。

出来たてを食べたいから、イートインすることにした。耀太は他校の生徒から良く視線を集めるので、すれ違う度に女性の目を釘付けにする。