学校は不思議だ。似た毎日の繰り返しのようで、毎日が違う。

あちらこちらで、ささやかな事件が起きている。

将来性の感じられないことを学び、教室内は目に見えない縄張りで線引きされて、みんながその線を上手に見極め、互いに干渉しすぎない。


高二の秋。高校内は俄に文化祭モードで、わたしは今までの猫被りが功を奏し、ミスコンに選出されてしまったし、クラスの模擬店では売り子一択しか残されていなかった。

本音を言えば、編み物でも作って展示してぶらぶらと出店を回りたかったし、ミスコンも裏方として照明をあてたかった。

わたしの役目は、それではないらしい。

かと言って、今の役目もまた、わたしの適正であるのか疑問である。

授業が終わると直ぐに教室という縛りから抜けだした。

「箱崎さん、ばいば〜い」とすれ違う人に声をかけられては「ばいばい」と返事をし、いくつか視線を感じながら、昇降口にたどりつく。わたしの目はすぐに彼を捕まえる。