今わたしたちを結ぶこの関係も、利害関係の上に成り立っている。わたしに利があっても、耀太にとっては、害の方が多い。

わたしは、耀太と悠衣以外の男子があんまり得意じゃない。男子ってうるさいし、大きいし、動作が激しいし、じろじろ見てくるし、こわい。

遊ぶなら女友達がいい。一緒にいるのも女友達がいい。

けれども、わたしの願いとは違い、何故か中学の時よく告白されていた。罰ゲームのような感じだった。

『お前いけよ、当たって砕けてこい』
『俺のつぎお前も告れよ』
『連帯責任な』

そんな会話を聞いたことがあるので、おそらく、ゲームの一環だったのだと思う。

「(気持ち悪い……)」

どう対応すればいいかわからず、耀太に相談した。男子の耀太であれば、男子の気持ちがわかると思ったのだ。

わたしに、過去の過ちがあるのならば、絶対にあの日を上げるだろう。


『じゃあ、俺と付き合お』


耀太の答えは、わたしが求めるものとは全く別ものだった。

『なんで付き合うことになるの?』

『なずは、告白されたくないんだろ?』

『端的に言えば、そうかな……』

『俺と付き合っていることにしたら、告白するやついなくなるんじゃね?』

俺も、告られんのうざいし、と耀太は続けた。耀太も告白されてるんだ、と、その事実にも驚いたけれど、一理あると思った。