今日もいつもどおり、ポテトは半分以上を耀太にあげた。「なず、細すぎるからもっと食べろよ」と促す耀太に「カリッカリになってるの発見したらちょうだい」と、押し付けた。

耀太はわたしが言うこと、そのほとんどを聞いてくれる。

わたしが行きたい場所に連れていってくれるし、わたしが待っていてと言えばずっと待ってくれる。文句を言いつつ、一人ににさせない。

幼なじみで、彼氏で。周囲から『お似合い』と言われる。わたしからすると、どこが似合うのか分からない。

わたしは、耀太と対等な立場であるとは思えない。到底。

耀太の行動を、制限させてしまう彼女が居ても良いのか、この関係を続けても良いのか、わたしは分からない。

「ん、あった」

わたしの考えなど知らず、耀太は嬉しそうに、なず、あーん、と言ってポテトを差し出す。パクッと口に放り込むと、全然カリカリしてなくて、どっちかといえばしなしなで。

「……ちがうじゃん」

「あ、まちがえた。こっちな」

耀太はもうひとつをくれるので、謎にもう一本食べさせられた。もう高校生なので普通に恥ずかしいんだけど、耀太的には、幼なじみとして慣れた行為なので、平気らしい。