『恋愛解体書』
 
 月が『美しい』世界に私たちは住んでいるから、月を見た瞬間の、『名のない世界』が恋愛の世界である。月を美しいと言っては遅いのだ。
 そこでは、月は月でなくなり、月は太陽にさえなる。現実は亀の如し。
 そして、禁断の言葉。……『好』という言葉を使ったが最後、君は、月が『美しい』世界に還らなければならない。