入口の木の扉は閉じられているから、私はとりあえず、コンコン、とノックをしてみる。

 中の音が聞こえたりしないかな、と思って扉に耳を当てると、しーんとしていた。




「うーん…今日はいない日なのかな?」




 扉から顔を離して、どうしよう、と思っていると、キィ、と音を立てて内側から扉が開く。




「誰だ?テメェ」




 扉にぶつからないよう、数歩下がると、中から男の人が姿を現した。

 ピアスがいっぱい、眉毛が薄い、目つきがするどい、人相が悪い!

 これは間違いなくNight Empireの人だ。




「こんにちは。私、Night Empireの仲間になりたくて来ました、鉄谷(てつたに)夕華(ゆか)と申します」


「あぁ?」




 男の人は眉根を寄せて、私をにらむように、上から下まで視線を動かす。