“帰ろ”と言う怜央さんに従って、私は怜央さんと別れ、家に帰るつもりだった。
でも、気づけば怜央さんに手をつながれて、お城に連れてこられて。
4階のお部屋にあるソファーに着席させられてから、私はようやく疑問を口にすることができた。
「れ、怜央さん?私はなぜお城に…?」
「なぜって、夕華は俺の妃なんでしょ」
「そ、そうですけど…家に帰るのだとばかり…」
「うん。帰ってきたじゃん」
お城に?
ここが怜央さんのお家だというのは百歩譲って分かるとしても、なぜ私まで怜央さんのお家に連れてこられたの…??
「怜央さんも、まだ私と一緒にいたかったんですか?」
「はぁ?」
同じく室内にいる騎士くんが、“なに言ってるの?”と言いたげに顔をしかめる。
分かる、分かるけど思いつく理由がそれくらいしかなかったんだもの…!