がっついてはいませんから!

 と、弁解する前に、私たちの横を数人が通り過ぎていく。

 そして、通り過ぎた人たちは、私たちの前で振り返って足を止めた。


 きょとんとすると、私の横にも、うしろにも男の人が立っていることに気づく。

 目つきが悪かったり、服を着崩していたり、見るからに不良っぽい。




「え…?」


Night Empire(ナイトエンパイア)帝王(エンペラー)だな。本当に取り巻きを連れずに出てくるとは…今日がお前の命日だと思え」


「…はぁ」


「め、命日?なんて物騒な…この方は帝王さんなんて方ではありませんよ。ただ雰囲気のあるイケメンさんです!」




 よく分からないけど怜央さんを守らなきゃ、と思って、怜央さんの左腕に手を回し、視線を動かして逃げ場を探した。




「はぁ?お前に用はないんだよ、(プリンセス)


「夕華、手、離して」


「怜央さん…っ」