「ん」




 口を開いて、ぱくりとパフェを食べた怜央さんを見て、感激しながらそっとスプーンを引き抜く。

 愛奈(あいな)はもう、これで食べてくれなくなったから、素直に食べてもらえたのは久しぶり…!




「美味しいですか?」




 にっこり笑って聞くと、怜央さんはゆっくりまぶたを持ち上げた。




「ふつう」


「美味しいんですね。はい、スプーン返します」


「ん」




 怜央さんにスプーンを返して、私は、にこにこしながらパフェを一口食べる。

 甘い!美味しい!しあわせ!




「んん~♪」


「そんなに食べたかったの?ほら、こっち、食べてないよ」




 声をかけられて怜央さんのほうを見ると、怜央さんは微笑(ほほえ)んで、ぷるぷるのプリンを乗せたスプーンを私に差し出していた。

 あ、私のスプーン先に使っちゃったから、怜央さんので…!

 間接キスどころじゃなくて恥ずかしいんだけど!?