「仕事というのは?」


「Night Empireのあれこれとか、家のこととか」


「家のこと?」


「権力持ってるから、その分管理しなきゃいけないことがいっぱいあって。俺にも回されてくるんだ、こまごまとしたのが」


「そうなんですね…」




 権力を持ってるって、会社の社長さんとかなのかな?

 怜央さんっていつも気だるげだけど、見た目に反して、働き者なのかもしれない。

 私、怜央さんのこともNight Empireのことも全然知らないから、今日のデートでたくさん知れたらいいな。


 そんなふうに思いながら15分ほど歩いて、カフェに着くと、私は席に座った怜央さんの前にメニュー表を広げた。




「怜央さん、もし朝食がまだなら、サンドイッチとかパスタとかもありますよ」