布巾を置いて愛奈を見つめると、愛奈は少しむっとした顔をしてから、にこっと笑った。
「愛奈の好きな人ね、みんなを守るために、危険なNight Empireを潰そうとしてるの。だからお姉ちゃん、スパイをして?」
「スパイ…私が、Night Empireの仲間になって?」
「うん!そしたら愛奈も好きな人に近づけるし、お願い!」
愛奈は両手を合わせて、上目遣いに私を見つめる。
究極にかわいい。
でも、危険な暴走族ってうわさのNight Empireに、そうかんたんに入れるのかなぁ…。
不安だけど…愛奈のお願いだし、その好きな人っていうのも、“みんなを守るために”って言うからには悪い人じゃなさそうだし。
「うん、分かった。Night Empireの仲間になってくればいいんだね?」