愛奈はスカートのポケットからスマホを取り出して、フリックし始めた。

 怜央さんと私がデートするっていう情報を知ったところで、どうなるんだろう?

 私がちょっと気恥ずかしいくらいな気がするけど。


 まぁ、愛奈がよろこんでるからいいや。

 私は微笑んで、部屋に荷物を置いてきた。


 リビングに戻ると、愛奈はソファーに座ってスマホを見つめている。




「ねぇ、愛奈。デートって、なにを用意していったらいいのかな?」


「はぁ?知らないし」


「でも愛奈、男の子とデートしたことあるよね?お姉ちゃんにデートの作法教えて!」




 たくさん恋をしてきた大先輩の愛奈に頼み込むと、しかめっ面で視線を返された。




「勝手にすれば?男たらしのお姉ちゃんならどうにでもなるでしょ」


「男たらしって…お姉ちゃん、そんなふうに見える?」