もう、ごまかしは効かない…よね?

 私はため息をついて、口を開いた。




「…妹が、Bomb Strike(ボムストライク)さんのこと、好きみたいなんです。好きな人の役に立ちたいから、スパイをしてきてとお願いされました」


「…妹?」


愛奈(あいな)って言います。かわいいんですよ」




 にこっと笑うと、帝王(エンペラー)さんは「ふぅん」と興味なさそうに答えた。

 そのうしろで、騎士(ナイト)くんが口元を手でおおって笑っている。

「危機意識がないな~」とつぶやいてるのが聞こえたけど、なんのことだろう?




「じゃ、きみは妹のために、知りもしないBomb Strikeに情報を流したんだ。それなら、繫がりがないのは納得した…」




 帝王さんが目を伏せたのを見て、私は「はい」と答えた。




「なので、私のことは見逃して、Bomb Strikeさんの役に立つ情報をくれませんか?」


「はぁ?」