どこの?と思ったけど、一拍置いて、帝王さんが通っている学校のことだと気づいた。

 学校の周りを張ってたって、もしかしてBomb Strikeというのは、愛奈の好きな人のこと?

 変わったあだ名だなぁ。




「無駄だと言われても、Bomb Strikeさんなんていう知り合いはいませんよ」


「あのさ。最初から、分かってるから。きみがスパイだっていうのは」


「え」




 最初から!?

 なんでバレたの!?




「あははっ、本気でおどろいた顔してる~!あたりまえでしょ?僕が“かっこいいから入りたい”なんてバカな理由、信じるわけないじゃん」


「そんな…!」




 あたりさわりない理由だと思ったのに!

 というか騎士くん、口悪くない!?

 かわいい見た目とのギャップが!




「昨日ので、きみがBomb Strikeのスパイだっていうのも分かったし。言い逃れとかしなくていいから、俺の疑問に答えてよ」




 いつもと変わりない、気だるげな赤い瞳を向けられて、私はごくりとつばを飲んだ。