帝王さんのとなりで微笑みかけると、帝王さんは横目に私を見た。
「ふぅん…一口食べて、不味かったら捨てるから」
「はい!」
一口は食べてくれるなんて、帝王さんって素直ないい人なんだなぁっ。
私はうれしくて、にこにこ笑いながら立ち上がった。
「それじゃあ、私は帰りますね。…あ、今度はあなたの分も作りますから」
真面目そうな雰囲気の人を見てそう言うと、彼は緩く首を振る。
「騎士とお呼びください。俺の分は不要です」
「そうですか…?分かりました。それじゃあ、失礼します」
彼も、“騎士”なんだ。
そう思いながら、私は笑って帝王さんがいるお部屋を出た。
今日は少し、帝王さんと仲良くなれたかな?