「あ、帝王さん!今日も晩ご飯を作っていいですか?」
「…食べるとはかぎらないけど」
「大丈夫です、今日は食べてもらうので。楽しみにしててください」
にこっと笑うと、ふり返って私を見た帝王さんはしばらくだまりこみ、目を伏せながら階段を上る。
そのあとに続いた騎士くんは、笑顔で私に手を振って「がんばってね~」と言い残していった。
帝王さんに美味しいご飯を食べてもらうためにも、早く掃除を終わらせて、調理の時間をたっぷり残そう!
私は、よし、と気合を入れて掃き掃除に戻った。
****
18時17分。
昨日よりも20分早く掃除を終えた私は、バケツとぞうきん、手を念入りに洗って、お城のキッチンに向かった。
今日作るのも、昨日と同じチャーハン。