翌日、学校が終わったあとにお城へ来て、2階の掃除をしていた私は、階段の前に来たとき、帝王(エンペラー)さんに会った。

 今日は真面目そうな雰囲気の人と、騎士(ナイト)くんの2人と一緒に帰ってきたみたい。




「おかえりなさい、帝王さん。ハンカチ、きれいに洗っておきましたよ」




 ミニほうきを置いて立ち上がり、ポケットに入れておいたハンカチを取り出すと、階段を上がってきた帝王さんはハンカチを見る。




「いらない。それ、俺のじゃないし」


「え」


「捨てといていいよ。どうせ拾い物だから」


「そうなんですか…」




 うーん、せっかく洗った物だし、捨てるのはもったいないなぁ…。

 帝王さんがいらないって言うなら、私がもらっちゃおうかな?


 ハンカチを見て考えていると、帝王さんたちは3階への階段を上っていった。